2010年12月10日金曜日

【ベトナム?インドシナ】3月インフレ9.5%に加速、基準金利は8%で据置

 統計総局(GSO)の25日の発表によると、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で9.46%上昇し、10%目前まで迫った。昨年9月から7カ月連続でインフレが加速した。専門家の間ではベトナム国家銀行(中央銀行)がインフレ抑制のため利上げに動くとの見方があったが、中銀は25日、4月も8%で据え置くと発表した。

 3月のCPI上昇率は前月比では0.75%で、テト(旧正月)後の物価の落ち着きもあり、4カ月ぶりに1%を割った。
 
 3月1日からの電気料金、石炭価格の値上げ、またガソリン価格、鉄鋼価格の値上げ、2月11日のドンの対米ドルレート切り下げに伴う輸入品価格上昇などがインフレ加速の背景にあるようだ。
 
 3月のCPI上昇率が前年同月比で最も高かったのは交通費で20.63%。前月比でも0.92%伸びた。ガソリン高騰が原因とみられる。
 
 次いで住宅?建材が14.98%で、4カ月連続で10%を超えた。前月比でも1.38%の高い伸びを示した。電力、石炭の値上げ、輸入原材料の上昇などで住宅?建材に使われる鉄鋼、セメント価格などが上昇している。25日付ベトナム?ニュース(VNS)によると、鉄鋼価格は現在、1トン当たり1,200万?1,280万ドン(629?671米ドル)で、3カ月前と比べて60万ドン値上がりしている。
 
 食品類の物価上昇率は昨年末から再び加速しており、3月は前年同月比10.73%とついに10%の大台を突破した。前月比では1.03%の上昇だった。
 
 3月に唯一、CPIが下落したのは郵便?通信で、前年同月比4.08%、前月比0.20%の下落。携帯通信各社の値下げ競争が要因とみられる。
 
 ■価格統制厳しく
 
 1?3月の平均インフレ率は8.51%で、政府が打ち出している今年のインフレ抑制目標の7%を超えている。ブー?バン?ニン財務相は経済成長を達成しつつインフレ抑制も実現させるため、製品?サービスの価格統制に努め、妥当性のない値上げを厳しく監視するとした。
 
 財務省は22日、インフレ抑制を目的に、6月末までガソリンなど燃料の価格を上げないよう石油販売各社に要請した。また、◇セメント◇家畜飼料◇建設用鋼材◇ガス◇化学肥料◇砂糖──の6品目の生産?経営企業に対する監視団の設置を決めている。
 
 インフレが加速する中、中銀は25日、商業銀行によるドン建て貸出金利と預金金利のベースとなる基準金利を4月も8%で据え置くと発表した。昨年12月以来、5カ月連続で8%を維持する。専門家の間ではインフレ抑制のため中銀は近く金利を引き上げるとの見方があったが、この予想は覆された。スタンダードチャータード銀行は先ごろ、ベトナムの通年のインフレ率を8.9%と予測している。<ベトナム>

引用元:RMTの総合サイト【INFO-RMT】